【三冠へ】


初代三冠牝馬メジロラモーヌが老衰のために亡くなった。エリザベス女王杯がクラシック認定されていないため、厳密には二冠なのだが牝馬の三冠馬として立派に伝説を残した。
馬齢で22歳であったが、寿命としては平均よりもちょっと早かったかなという感じである。名牝から名馬が生まれることを期待したが、残念ながら名馬と呼ぶにふさわしい跡継ぎは生まれなかった。血脈自体が無くなったわけではないが、裾野が広がる可能性は絶たれてしまった。
ラモーヌの三冠達成はルドルフ三冠達成の二年後のことであり、牝馬として初でもあった為、サークル内は大いに盛り上がった。もちろんそれ以上に二年前のルドルフの方がアツかったわけだが。
時代が流れ、ちょっとダーティーなイメージのあった競馬が大衆娯楽として認められた今、より影響力を放つであろう衝撃が起ころうとしている。むろんディープインパクトのことである。
ナリタブライアン以来の三冠馬、ルドルフ以来の無敗の三冠馬の期待がかかるわけだが、無敗で達成される可能性は高い。ディープの絶対能力が飛び抜けている事もそうだが、その他のライバル達がこぞってハイレベルではない。未対戦のマチカネキララとストーミーカフェに打倒の期待が寄せられているが、競馬だからという前置きをしつつも敵わないだろう。
ストーミーカフェが故障せずに皐月賞に出走してきていれば、結果はわからずも支持率の割れは発生していたであろう。しかしながらGIであれだけの差を見せられてはタラレバで語る必要性はないと感じる。それだけ衝撃的であった。初めて鞭を入れたのが皐月賞。初めて調教で一杯に追ったのがダービー。それを考えれば尚更である。
神戸新聞杯も抜かりない仕上げで向かい、『三冠馬』ではなく『無敗の三冠馬』という領域に踏み込ませるのであれば尚のこと。このチャンスに天才も妥協するような乗り方はしないであろう。
とは言っても勝率100%のキララと、ハイレベル戦を戦ってきて尚且つディープと脚質が全く違うカフェにわずかながらの期待はかけたくなる。しかしながら天邪鬼にならない限り、頭はディープインパクト。
馬連でも馬単でもディープが頭なら配当がそんなに変わらないと思うが、馬券は馬単でディープから前記2頭で。それに本番で二着に期待しているローゼンクロイツを足した3点で。

神嶋


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